部分矯正について
部分矯正は、全体矯正とは異なり、主に気になる部分だけを矯正する方法です。特に前歯の軽度な歯列不正やすきっ歯に効果的で、治療期間が短く、費用も抑えられるため、多くの患者さんに選ばれています。部分矯正では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を使い、それぞれの患者さんに最適な方法で治療を進めます。ただし、適応できる症例は限られますので、気になる方は船橋の矯正歯科 東葉デンタルオフィスまでお気軽にご相談ください。
部分矯正はこんな方に
おすすめです
部分矯正は、以下のような方におすすめです。
- 矯正したい範囲が限られている方
- 歯並びに関する症状が軽度な方
- 短期間で治療を終わらせたい方
- 治療費をできるだけ抑えたい方
部分矯正のメリット・
デメリット
メリット
治療期間が短期間
矯正範囲が限定されているため、全体矯正よりも治療期間が短くなる傾向があります。歯の状態によりますが、早ければ3ヶ月程度で治療が完了することもあります。このため、結婚式や撮影などのイベントを控えた方にもおすすめです。
費用が安くなりやすい
部分矯正は矯正範囲が狭いため、全体矯正の約半分以下の費用で済む場合もあります。矯正が必要な部分が限られている方や、金銭面での負担を抑えたい方に適しています。
痛みを抑えられる場合が多い
部分矯正は全体矯正に比べて痛みが少ないとされています。歯列矯正では、歯を動かすために適度な力をかける必要がありますが、その程度は個人差があります。しかし、部分矯正では治療する範囲が限定されているため、全体矯正に比べて体への負担が少なく、痛みも軽減されることが多いです。
デメリット
適応症例が限られている
部分矯正は全体矯正よりも対応できる症例が限られています。例えば、歯が大きすぎる、歯の重なりがひどい、前歯が開いている(開咬)などの症例には、部分矯正では対応できないことが多く、その場合は全体矯正が推奨されます。
治療できる範囲が狭い
部分矯正は治療できる範囲が狭く、顎の骨格や噛み合わせに問題がある場合には対応が難しいことがあります。これらの症例では、全体矯正による治療が必要となるため、注意が必要です。
歯を削る可能性がある
部分矯正を行う際、場合によっては歯を削る治療が必要になることがあります。特に、上下の歯の大きさが異なる、歯列に大きな凹凸がある場合などは、歯を削る必要が出てくることがあります。
後戻りする場合がある
部分矯正は他の歯の影響を受けやすいため、治療後に歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が全体矯正よりも起こりやすいとされています。これを防ぐために、治療後の保定期間が重要です。
部分矯正が向いているケース
軽度のガタガタや凹凸がある歯並びの方
軽い歯並びの不整や前歯の少ししたズレを改善したい場合、部分矯正が効果的です。例えば、前歯が少し前に出ていたり奥に引っ込んでいる場合など、歯の表面を少し削ることで歯が動くスペースを確保し、短期間で歯並びを整えます。
スペースを確保するための
歯の削り方
部分矯正では、歯を抜かずにスペースを確保するための方法として、歯の表面を最大で0.5mm程度削る処置が行われることがあります。この処置は「ストリッピング」とも呼ばれ、歯のエナメル質のごく一部を削ることでスペースを確保します。エナメル質のみを対象とするため、歯の健康への影響は最小限で、痛みもほとんどありません。
噛み合わせに問題がないすきっ歯の方
歯と歯の間に隙間がある「すきっ歯」は、部分矯正で簡単に治療できます。前歯の隙間を埋めるために歯を少しずつ動かし、短期間で見た目を改善できます。これにより、食べ物が詰まりにくくなるなど、機能的なメリットも得られます。
前歯部分のみの調整を
希望する方
奥歯に問題がなく、目立つ前歯を改善したい場合に適しています。特に、前歯だけの治療を希望する方におすすめです。
短期間で歯並びを
改善したい方
部分矯正は、全体矯正に比べて治療期間が短いため、見た目を早く改善したい方に適しています。
部分矯正の適応が
難しいケース
歯の重なりが大きい場合
歯の重なりが大きい場合、例えば八重歯や重度の出っ歯のように歯が大きく重なっている状態では、部分矯正では十分なスペースを確保することが難しく、効果的な治療が難しいため、全体矯正が適切です。八重歯では犬歯の位置を大きく動かすのが難しく、出っ歯の場合は歯の表面を削るだけでは不十分なことが多いため、全体的な調整が必要となり、歯を抜いてスペースを作ることが求められることもあります。
噛み合わせの異常を
伴う場合
噛み合わせに異常がある場合、部分矯正では対応が難しいことがあります。例えば、開咬(オープンバイト)では、舌癖や顎の骨格が原因で前歯に隙間ができ、部分矯正で前歯を整えることは可能ですが、噛み合わせが不安定になりやすく、後戻りする可能性が高いです。
過蓋咬合(ディープバイト)では、上の前歯が下の前歯を深く覆うため、噛み合わせの調整が必要となり、部分矯正では治療が難しくなります。また、すきっ歯も噛み合わせに問題があると、部分矯正では歯の隙間を閉じても噛み合わせの調整が不十分になることがあります。これらの症例では歯を大きく動かす必要があり、全体的なバランスを整えるために全体矯正が推奨されます。
骨格の問題を伴う場合
骨格に問題がある場合、歯並びの乱れが歯そのものではなく、顎の骨の形や位置によることがあります。例えば、受け口(下顎前突)では、下の歯が上の歯よりも前に出ており、顎の骨の成長バランスが崩れています。このような場合、部分矯正では歯の位置を調整することはできますが、骨格自体を変えることはできません。そのため、外科手術を伴う治療が必要になることがあります。
また、骨格の問題が原因で顎関節に負担がかかり、口を開け閉めするときに音が鳴ったり痛みが出ることもあります。部分矯正では、このような顎関節の問題を解決することは難しく、包括的な治療が必要となる場合があります。
部分矯正で使用する装置
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、金属製のワイヤーとブラケットを用いて歯を動かすもっとも一般的な矯正方法です。以下の2つのタイプがあります。
表側矯正
歯の表側に装置を装着する方法で、費用が比較的安価で多くのクリニックで対応可能です。金属装置が目立つというデメリットがありますが、当院ではセラミックブラケットやホワイトワイヤーを使うことで見た目の問題を軽減できます。
部分矯正をご検討中の方へ
部分矯正は短期間で見た目を改善できるため、多くの方に人気があります。しかし、患者さんの不正咬合の状態をしっかりと検査・診断した結果、部分矯正では対応が難しい場合や、後々リスクが出てくることもあります。ですので、治療を始める前に担当医と十分に相談し、ご自身に最適な治療法を選ぶことが大切です。
また、最近では結婚式などの特別なイベントが終わった後に、トータルな矯正治療を始める方が増えています。それぞれのライフステージに合わせた最適な矯正治療を選び、理想の歯並びを手に入れましょう。